このアプリが生まれるまで ― 病床で決めたこと

みちざうのイラスト(娘作) アプリ開発

2024年4月、私は原因不明の肺炎で緊急入院しました。

呼吸が苦しいうえに、左胸の激しい痛みがありました。某大学附属病院の休日外来に自力で押しかけ、なんとか診てもらえることになりました。熱を測ると39度を超えていて、まだ新型コロナへの対応が厳しいころだったため、別室に通されてコロナの検査も受けました。

陰性とわかると、太い針での採血と、全身のCTスキャンを受けました。「いったん家に帰って、出直してきます」とお願いすると、「いま病院を離れて何かあっても知りませんよ」と叱られ、そのまま入院になりました。

入院時に撮影したCT画像

その直後から、容体は急に悪くなりました。息ができない苦しさ、左胸の激痛、そして全身の臓器が弱っていくような感覚。これは逝きそうだと、観念しました。

抗生剤の点滴を受け続けて4日目、腎臓がようやく働き出したかのように、毒が体から流れ出していくのを感じました。原因の菌は最後までわかりませんでしたが、体はすっかり元に戻りました。

苦しんだ4日間に思ったのは、人はあっけなく逝くときが来る、ということでした。それなら、せめていまの自分が残せるものを作っておこう。そう考えて、誰もが使える計算ソフトを作ると決めました。

簡単にできるものではないと、わかってはいました。VBA、JavaScript、Python……。越えなければならない壁はあまりに多く、歩みは遅々として進みませんでした。

アプリの中で案内役を務めるキャラクターは、二児の母になった娘が描いたイラストをもとにしています。

10日間の入院で伸びた髭は、健康への戒めとして、そのまま残すことにしました。気がつけば、それから2年と6か月が過ぎていました。

ようやく、試作版を公開できるところまで来ました。いまは、ほっと安心しています。

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